Press release -
日立レールが英国オムニコム社を買収、デジタルアセットマネジメント事業を強化
株式会社日立製作所(以下、日立)の鉄道システム事業を担う日立レールは、最先端のデジタル鉄道監視システムを手がけるOmnicom(以下、オムニコム社)を、国際的なインフラグループであるBalfour Beatty(以下、バルフォア・ビーティ社)から買収することで合意しました。この買収は、日立レールの新しいデジタルアセットマネジメントプラットフォーム「HMAX」(Hyper Mobility Asset Expert:エイチマックス)事業を進める上で、重要で戦略的な基盤となります。
オムニコム社は、インフラ監視システム、建築限界測定、線路目視検査、走行時スキャンによるイメージングシステムなど、鉄道インフラアセットの測量、検査、監視を行うソフトウェアとハードウェアを提供しています。オムニコム社の監視システムは列車に設置することができ、エッジコンピューティングと機械学習を使用し、線路上の異常をほぼリアルタイムで検出します。この技術は、メンテナンス計画とアセットライフサイクルの意思決定を強化することができます。
鉄道技術で25年以上の実績を持つオムニコム社の監視および軌道形状測定ソリューションは、現在、多くの大手顧客によって導入されています。この技術は、1日に数兆バイトの画像を収集し、顧客が線路沿いのメンテナンスを最適化できるようにします。
オムニコム社のリモート監視および測定ソリューションは、日立レールの新しいHMAXソリューション群に組み込まれ、この先駆的な技術をグローバルに提供できるようになります。2024年9月に国際鉄道展示会「InnoTrans(イノトランス)2024」で発表されたHMAXは、列車および周辺の鉄道インフラからの膨大なリアルタイムデータを単一のプラットフォームにシームレスに統合する包括的なデジタルアセットマネジメントソリューションです。このプラットフォームでは、AIと機械学習を使用してデータを処理し、必要な情報を抽出して、鉄道運行の最適化、エネルギー消費の削減、オンコンディション/予防保全メンテナンスプロセスなどの運用およびサービスの強化を実現します。
また、HMAXを使用すると、列車やインフラ上の「エッジ」で大量のデータをリアルタイムに処理し、関連する情報のみをオペレーションセンターに送信することができます。これにより、これまではメンテナンス現場でデータを処理するのに数日かかっていた、有益なデータ分析結果が鉄道事業者に届く速度が、飛躍的に向上します。
■日立レールCEO, Giuseppe Marino(ジュゼッペ・マリノ)のコメント
「この買収は、日立レールにとって戦略的な買収です。オムニコム社の先駆的な軌道監視ツールを当社のデジタルアセットマネジメントプラットフォームに組み込むことで、お客さまの鉄道サービスや周辺インフラを最適化する当社のグローバルサービスがさらに強化されます。HMAXプラットフォームのような新しい技術ソリューションを通じて、当社の鉄道インフラとシステムのパフォーマンスを向上させるAIの能力を証明したいと思います。」
■オムニコム社 Managing Director, Sanjay Razdan(サンジェイ・ラズダン)氏のコメント
「この買収により、オムニコム社は、鉄道アセットの故障の予測や防止を支援する実証済みのデータ駆動型ソリューションに基づいて、鉄道インフラの安全性、効率性、信頼性をさらに向上させ、AI対応システムとサービスを共同で革新し、提供する力を強化します。今後は日立ブランドの一員として、オムニコム社が引き続き成長していくことを期待しています。」
■日立製作所について
日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。お客さまのDXを支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、幅広い産業でプロダクトをデジタルでつなぎソリューションを提供する「コネクティブインダストリーズ」という3セクターの事業体制のもと、ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。デジタル、グリーン、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。3セクターの2023年度(2024年3月期)売上収益は8兆5,643億円、2024年3月末時点で連結子会社は573社、全世界で約27万人の従業員を擁しています。詳しくは、日立のウェブサイト(https://www.hitachi.co.jp/)をご覧ください。
■バルフォア・ビーティ社について
バルフォア・ビーティ社は、26,000人以上の従業員が強力な新しいソリューションの提供を推進し、思考を形成し、スカイラインを創造し、明日の変革者となるための新世代の才能を鼓舞する、有数の国際インフラグループです。
私たちは、国の経済を支え、地域社会の中心でプロジェクトを提供する、ますます複雑化する重要なインフラに対し融資、開発、建設、維持、運営を行っています。
過去114年間にわたり、私たちは世界中で象徴的な建物やインフラを構築してきました。現在、英国初の原子力発電所であるヒンクリーポイントCの建設、香港に世界的な芸術文化施設であるリリックシアターの建設、世界で最も混雑する空港の一つであるロサンゼルス国際空港でAutomated People Moverの上部構造の設計、建設、資金調達、運用、保守などを進めています。