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日立レール、英国ファーストグループ向けインターシティ車両を受注
株式会社日立製作所(以下、日立)の鉄道システム事業を担う日立レールは、英国の鉄道運行会社のFirstGroup(以下、ファーストグループ)及び車両保有会社のAngel Trains(以下、エンジェル・トレインズ)と、車両14編成、70両の調達・リース契約に調印しました。キア・スターマー首相が英国時間12月6日にダラム州ニュートンエイクリフにある日立レールの車両工場を訪問し、ファーストグループのオープンアクセス*1運行拡大のための本契約が、工場と製造スキルの発展に寄与することを祝福しました。
このたび納入される英国向けインターシティ(特急型)車両は、クラス800シリーズの電化区間専用の車両または非電化区間乗り入れ用にバッテリーかディーゼルエンジンを搭載したバイモードの車両です。10年間のリース期間におけるメンテナンスを含む3社のプロジェクトコストは約5億ポンド(約961億円)*2です。
車両はファーストグループのオープンアクセスによる運行路線で運用されます。新しく運行が許可されたロンドン-カーマーゼン間や、同社が運営する既存のオープンアクセスブランドであるルーモ(Lumo)やハル・トレイン(Hull Trains)の増備にも使用されます。車両の納入は2027年から始まる予定で、車両の保守は英国各地の日立レールの車両基地で行われます。
さらに、ファーストグループは現在新しい路線のオープンアクセスを鉄道・道路規制庁に申請中であり、承認された場合、最大約5億ポンド(約961億円)で13編成までの追加発注を行うことができます。候補路線は、Lumoではロンドンーロッチデール間(ニュートン・ル・ウィローズ経由)、エクルズーマンチェスター・ビクトリア駅間、既存路線の延伸となるグラズゴーーエジンバラ間、ロンドン-カーマーゼン間の延伸となるロンドンーペイントン間、Hull Trainsではロンドン-シェフィールド間(レットフォード、ワークソップ経由)等です。
政府と独立した規制当局である鉄道・道路規制庁によってサポートされているオープンアクセスモデルは、鉄道路線の輸送キャパシティの一部を民間の事業者に提供することによって、旅客サービスの十分行き届いていない場所を接続して経済成長を促進し、自動車や航空機からのモーダルシフトを押し進めることができます。
*1 当該地域の主要鉄道事業者でない事業者に特定の路線で運行権が認められること
*2 1ポンド=192.16円で換算(2024年12月6日のレート)
■ファーストグループ Chief Executive Officer, Graham Sutherland(グラハム・サザーランド)氏のコメント
「ロンドンとカーマーゼン間の新しいサービスの導入、およびLumoとHull Trainsの列車増発により、今後数年間でオープンアクセスのポートフォリオが大幅に増加し、成功すればさらに拡大する可能性があります。日立がダラム州で製造する新しい列車は、英国の製造セクターを支え、将来、低価格で環境に優しい移動手段を検討するお客さまにより多くの選択肢を提供します。私たちは、成長とイノベーションが鉄道セクターの将来にとって重要であると考えており、政府やすべてのパートナーと協力して、競争力があり、持続可能でよりよいサービスを提供することを約束します。オープンアクセスサービスが成功すれば、新しいサービスにより輸送能力を増強し、地元企業やサプライヤーをサポートし、雇用を確保し、社会的流動性と将来の経済成長を促進することができます。」
■日立レール Chief Director of UK & Ireland, Jim Brewin(ジム・ブリューイン)のコメント
「この契約は前向きな一歩であり、近年の日立レールの英国事業全体のチームの努力と忍耐が報われました。高い信頼性で多数の受賞歴のある日立の英国製の列車が、Hull TrainsとLumoの乗客にさらなる利便性をもたらすこととを楽しみにしています。私たちは、お客様のエンジェル・トレインズとファーストグループが示した革新性と創造性に大きく共感しており、私たちの共通の目標を実現するために協力して取り組んでいきます。同様に、私たちは、この民間部門の投資を実現するために多大な努力をしてきた北東イングランドの皆さんに感謝しています。」
■エンジェル・トレインズ CEO, Malcolm Brown(マルコム・ブラウン)氏のコメント
「これは英国の鉄道業界にとって大きなマイルストーンです。3か月足らずで約2億5000万ポンドの投資を行い、何百万人もの乗客が鉄道を利用し、英国全土の主要都市を接続し、重要な製造業の雇用を確保し、地域経済に新しい命を吹き込みます。これは同種の案件では6年ぶりの発表ですが、私たちの野心はここで止まりません。このマイルストーンは、エンジェル・トレインズが鉄道インフラのグリーン移行において主導的な役割を果たす、新しくエキサイティングな旅の始まりを表しています。」
■日立製作所について
日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。お客さまのDXを支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、幅広い産業でプロダクトをデジタルでつなぎソリューションを提供する「コネクティブインダストリーズ」という3セクターの事業体制のもと、ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。デジタル、グリーン、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。3セクターの2023年度(2024年3月期)売上収益は8兆5,643億円、2024年3月末時点で連結子会社は573社、全世界で約27万人の従業員を擁しています。詳しくは、日立のウェブサイト(https://www.hitachi.co.jp/)をご覧ください。