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日立レール、ギリシャ初の完全自動運転の都市鉄道システムを納入
株式会社日立製作所(以下、日立)の鉄道システム事業を担う日立レールは、ギリシャ共和国(以下、ギリシャ)初の自動運転のデジタル信号技術と先進的な鉄道車両を納入し、11月30日に同国テッサロニキで新路線の第一区間が開業されました。同路線により、56,000台/日の自家用車の移動が鉄道に移行し、年間77,000トンのCO2を削減すると試算されています。
新路線の第一区間は約9.6 kmに及び、13の新駅を有しています。ギリシャの国営企業であるElleniko Metro(エレニコ・メトロ社)は路線の延伸を計画しており、完成すると市の中心部と空港を結ぶことになります。最初の延伸区間では、4.8 kmが追加され、新たに5駅が建設される計画です。
日立レールはこのプロジェクトに携わり、最先端の無線式列車制御システム(CBTC)と車両を納入しました。最初の区間では、18編成の新しい車両が使用され、その後の追加契約によりさらに15編成が追加される予定です。
車両は、イタリアの日立レールのレッジョ・カラブリア工場で製造され、全長約51メートルの4両編成で、1編成あたりの定員は450人です。日立レールは、車両に加えて、同路線にCBTCベースの信号システムを導入することで、サービス能力を向上させ、列車をより短い間隔で安全に運行できるようにしています。CBTCは、列車とインフラ間の無線通信を使用して、従来の信号よりも効率的かつ安全に鉄道システムを運用する近代的な都市信号システムです。このプロジェクトは、フランスや米国を含む日立レールのグローバルなCBTCの専門知識を活用して実現されました。
テッサロニキでの路線開業は、日立レールが世界中に展開する自動運転鉄道の大きなマイルストーンとなります。日立レールは近年、ミラノメトロ4号線と5号線、台北、リマ、コペンハーゲンなど、さまざまな地域で自動運転ソリューションを提供してきました。
ピレア地区における55,000平方メートルの車両基地の建設を含め、鉄道の建設工事はこの地域の歴史と考古学を守るために細心の注意を払って行われ、デクマヌス・マクシムス(古代ローマの都市の中心部を東西に貫く基幹道路)の発見を含む重要な考古学的発見がありました。発見されたすべてのものは、駅内で一般公開されます。
■日立製作所について
日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。お客さまのDXを支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、幅広い産業でプロダクトをデジタルでつなぎソリューションを提供する「コネクティブインダストリーズ」という3セクターの事業体制のもと、ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。デジタル、グリーン、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。3セクターの2023年度(2024年3月期)売上収益は8兆5,643億円、2024年3月末時点で連結子会社は573社、全世界で約27万人の従業員を擁しています。詳しくは、日立のウェブサイト(https://www.hitachi.co.jp/)をご覧ください。