日立が鉄道運行会社のAbellio社と標準型近郊車両「AT-200」の納入および保守に関する正式契約を締結

株式会社日立製作所(執行役社長兼COO:東原 敏昭／以下、日立)の英国における鉄道システム事業会社である日立レールヨーロッパ社(取締役会長兼CEO:Alistair Dormer)は、鉄道運行会社のAbellio社(本社:オランダ)と標準型近郊車両「AT-200」234両(70編成)の納入および車両の保守に関する正式契約を締結しました。「AT-200」における受注獲得は今回が初となります。

今回、日立が納入する車両は3両編成電車46編成と4両編成電車24編成の計234両(70編成)で、Abellio社がフランチャイズ権を獲得したスコットランドのエディンバラ～グラスゴー路線およびスターリング～アロア～ダンブレーン路線に利用され、2017年から営業運行が開始されます。
また、今回の契約では車両の納入以外にも、10年間にわたる車両の保守も含まれており、エディンバラ周辺にある車両基地を利用して、サービスを提供する予定です。

納入する70編成のうち、最初の7編成は笠戸事業所(山口県下松市)で製造し、残りの63編成については、本年中に操業を開始する予定である英国ダーラム州ニュートン・エイクリフの鉄道車両工場で製造する計画です。

日立が納入する「AT-200」の最高速度は時速160km、車両長は23m、車両耐用年数は35年で、車両後方部と連結部分に乗客が利用できる広いスペースを確保していることが特長です。

なお、本契約はSMBCリーシング社傘下の特別目的会社であるCaledonian Rail Leasing Ltd (カレドニアン・レール・リーシング社)の資金により賄われています。

スコットランド運輸大臣デレク・マッケイ(Derek Mackay)コメント

「スコットランドで最も交通量の多いルートに新しい車両を導入することは、乗客に良質なサービスを提供するだけで無く、二酸化炭素排出量の削減にもつながります。低コストでの資金調達を含む今回の契約は、長期的にわたりスコットランドに利益をもたらします。」

Abellio社CEOジェフ・ホーフステージャー(Jeff Hoogesteger)コメント

「本契約は、乗客のみならず、スコットランドにとっても重要なものです。新車両の導入はAbellio社がフランチャイズ権を獲得できた大きな要素であり、その導入に向けたプログラムを始動させることができたことを大変喜ばしく思います。日立の『AT-200』が2017年後半までに24編成、2018年12月までに46編成納入されることは、エディンバラ～グラスゴー改修計画(EGIP)による乗車時間の短縮や広々とした車内空間、品質の高いサービスなどの恩恵が乗客にもたらされることを意味します。さらに、先進的なデザインの新車両は、エネルギー効率が優れていることに加え、軽量化の実現により鉄道インフラへの影響を低減します。」

日立レールヨーロッパ社General Manager for Scotlandジョン・ビーチ(Jon Veitch)コメント

「本日、Abellio社と車両の納入ならびに保守に関する契約を締結したことを誇りに思います。今回の契約はスコットランドの乗客サービスを向上させる長期パートナーシップのスタートであり、今後も運行会社と緊密に連携し、最高水準のサービスを提供していきます。本案件は標準型近郊車両「AT-200」の初受注となり、納入する車両の多くを、都市間高速鉄道計画(IEP:Intercity Express Programme)に向けたClass 800車両とあわせ、英国ダーラム州ニュートン・エイクリフで建設中の鉄道車両工場で製造することで、スコットランドおよびイングランド北東部の雇用拡大や経済成長に貢献していきます。」

標準型近郊車両「AT-200」のスペック

以上